公益社団法人 日本分光学会

2024年11月29日

日本分光学会 赤外ラマン分光部会 第7回MAIRSワークショップ(2024年11月29日(金))のお知らせ

 赤外ラマン分光部会では11月29日(金)に,「第7回MAIRSワークショップ」の講演会を開催いたします。
 多角入射分解分光(MAIRS)法は,薄膜中の分子構造解析に強力な分光法で,X線回折(XRD)の結晶多形解析と対等かつ相補的な情報を与えます。XRD単独で解析すると見逃してしまう非晶や液晶,さらに微小な結晶子に関する分子集合系の構造を,MAIRSは定量的に明らかにします。MAIRSは,FT-IRと組み合わせて使うことが標準的で,官能基ごとの分子配向が結晶化度によらず定量的に得られます。また,薄膜の平滑性が低い膜でも,他の方法に比べて圧倒的に高い精度で分子配向が解析できます。これにより,スピンコート膜やディップコート膜などの実用的な薄膜が解析できます。こうした特徴から,同一の試料をMAIRSとXRDの両方で解析すると,結晶多形から非晶の構造まで見逃しのない構造解析が実現できます。さらに,MAIRSは薄膜中での反応を化学種ごとに非破壊で定量解析できる点も,薄膜工学にとって重要な解析能力です。
 MAIRSの応用を広く網羅した総説が,今年の春にJapanese Journal of Applied Physics誌から出たタイミングで,ますます広がる薄膜科学の今後の方向性を,MAIRSの開発母体である京大化研で活躍する若手を中心に考える会にしたいと思います。

日時:

2024年11月29日(金) 13:00~17:00

会場:

対面+オンラインのハイブリッド
京都大学化学研究所・共同研究棟 大セミナー室
JR奈良線 黄檗(おうばく)駅 徒歩7分/
京阪宇治線黄檗駅 徒歩10分
(http://www.kuicr.kyoto-u.ac.jp/sites/about/access/)

参加費:

対面・オンラインともに
分光学会会員:4,000円
協賛学会会員:4,000円
一般:7,000円
学生:無料

定員:

60名(オンラインは無制限)

プログラム:

13:00-13:10  開会の辞 および MAIRS概観  長谷川 健(京都大)
13:10-13:50 「液体界面薄膜で操れるもの:分子マシン、認識レセプター、生きた細胞、有機半導体」
         有賀 克彦(物材機構 MANA、東大院新領域)
13:50-14:00  休憩
14:00-14:40 「水素結合性超分子薄膜の構造解析と物性評価」
         山内 光陽(京都大)
14:40-15:00 「赤外分光法を主軸とした液晶性有機半導体薄膜の凝集構造解析」
         岡 昂徹(京都大D1)
15:00-15:10  休憩
15:10-15:30  MAIRS測定装置のご案内
         日本分光および サーモフィッシャーサイエンティフィック
15:30-16:10 「長谷川研卒業生のキャリアパスとpMAIRS法の活用取り組み」
         冨田 和孝(東レリサーチセンター)
16:10-16:50 「赤外スペクトルを混乱させるフォノンバンドを見極める」
         長谷川 健(京都大)
16:50-17:00  閉会の辞          長谷川 健(京都大)

主催:

日本分光学会 赤外ラマン分光部会

協賛:

日本化学会,日本分析化学会,分子科学会,応用物理学会,国際共同利用・共同研究拠点

参加申込・締め切り:

以下のURLからフォームにご記入の上,送信してください.
https://forms.gle/WNvW4pZ81UD9GXDx9
定員になり次第,締め切ります。参加人数に余裕がある場合は当日も申込みを受け付けますが,早めの申込みをお薦めいたします。

問い合わせ先:

京都大学化学研究所・長谷川健
電話:0774-38-3070
E-mail:htakeshi@scl.kyoto-u.ac.jp