公益社団法人 日本分光学会

会長挨拶(服部会長2024.6.19_2026年度総会の日まで)

   服部利明(筑波大学数理物質系)

 

新しい時代の分光学会に

 

2024年6月から2年間の任期で会長を務めることになりました。日本分光学会は、その前身の分光学研究会が1951年に設立されたことをもって出発点としています。その後、1953年に東京教育大学において日本分光学会が設立され、初代会長に東京教育大学光学研究所所長の藤岡由夫氏が就任しました。筑波大学は東京教育大学を引き継いで、1973年に設立されました。私が1991年に着任した筑波大学物理工学系は、その光学研究所所属の教員たちを中心として立ち上がった組織でした。奇しくも1991-1993年の分光学会会長は、まさに光学研究所から筑波大に移られた経歴を持つ新井敏弘氏でした。この度、筑波大学に所属する者として久しぶりに会長を担うことになったことに、身の引き締まる思いを抱いています。

 

 分光学会は、「分光」のキーワードの下に、広い分野の研究者、技術者、学生たちが集まっている唯一の学会です。今後ますます学会の魅力を高め、多くの人々が集う学会、多くの人々に支えられる学会へと向かうよう努力をしていきます。この数年は、いわゆるコロナ禍への対応で手いっぱいであった時期ではないかと思われますが、これからは、落ち着いて将来に向けて確実な歩みを進めていきたいと思います。

 

 そのために、新しい時代に合った、学会活動を目指したいと考えます。一つには、ウェブサイトやオンラインツールなどの情報ツールをより活用していくことです。学会業務のこれまでのカテゴリーである出版・広報・編集・企画・庶務といった切り分けが通用しなくなっています。部会や支部の活動も含めて、学会のあらゆる活動を通して、それらの情報ツールが使えるようになるとよいと思います。また、各種会員や、学会を支援してくださるいろいろな方々とのコミュニケーションを増やしていくことも必要だと考えます。さらにグローバルな活動への支援、連携も進めていくべきでしょう。

 

 今後の様々な活動に向けて、会員の皆様の力添え、ご支援をお願いいたしたく存じます。