若手のショートレビュー

 

氷の電子スピン共鳴分光と
その惑星科学・天文学への応用

法澤公寛

 


太陽から遠く離れた外惑星に行くと,温度が低いため氷で覆われた天体が存在する.氷天体は太陽風や宇宙線,紫外線に絶えず曝されており,このような天体の環境や歴史を知る上で,氷の放射線照射効果の研究は欠かせない.本稿では,氷天体表面に存在していると思われる氷を実験室で作成し,γ線や紫外線を照射したものを試料とし,電子スピン共鳴(ESR)法を用いてラジカルの振る舞いを調べた結果を報告する.


Keywords: ESR, free radical, ice, icy satellite, icy interstellar dust


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