「糖鎖科学・糖鎖工学への招待」コース実施要領
〜糖鎖を知る、見る、創る、使う(基礎研究から応用へ)〜

 

開講期間 平成23年1月24日(月)〜1月25日(火) 計2日間
(申込締切 平成23年1月11日(火))
カリキュラム
編成者からの
メッセージ
 糖鎖が核酸やタンパク質につぐ「第3の生命鎖」として、生命機能に深く関わっているということが一般的に広く認識されるようになってきました。
 糖鎖のもつ大きな特徴のひとつは、タンパク質や核酸には見られない圧倒的な多様性にあるといえます。特に、タンパク質の翻訳後修飾としての糖鎖に関する研究の重要性が増しています。さらに、糖鎖科学の研究は、発生・再生や免疫といった基礎生命科学分野から、感染症、がん、生活習慣病といった医療創薬分野、さらには材料素材という応用分野に至る大きな広がりを持っています。従って、このような多様な可能性を有する糖鎖科学は他の領域との連携が不可欠な研究領域であるといえます。
 糖鎖科学研究は欧米に比べて日本が最も進んでいる研究領域のひとつです。それにも関わらず、糖鎖科学が対象とする領域の幅の広さや多様性が、これまで糖鎖科学を専門とする研究者以外には糖鎖科学研究を近づき難いものにしていたことは否定できません。しかし近年の技術革新によって、これまで難しいと敬遠されてきた糖鎖科学の研究が身近なものになってきています。
 この教育講座は、これまであまり糖鎖科学とは関連のない分野で活躍をされている方に、糖鎖科学を身近なものとしていただくことを目的として、糖鎖科学を包括的に理解できるように、基礎から応用までをそれぞれ日本を代表する研究者にわかりやすく解説していただくよう企画しました。
主 催 財団法人神奈川科学技術アカデミー
共 催 東海大学 (予定)
後援
(申請予定)
日本糖鎖科学コンソーシアム、日本糖質学会、日本質量分析学会、日本ヒトプロテオーム機構、日本生物物理学会、(社)日本生化学会、日本製薬工業協会、日本電気泳動学会、(社)日本分光学会、(社)日本農芸化学会、日本バイオインフォマティクス学会、日本分子生物学会、日本免疫学会 (財)バイオインダストリー協会、CBI学会、ヒューマンサイエンス振興財団、バイオ産業情報化コンソーシアム(JBIC)、(株)ケイエスピー、(財)大田区産業振興協会、川崎商工会議所、神奈川県産業技術センター
開催場所 かながわサイエンスパーク(KSP)内研修室 (川崎市高津区坂戸3−2−1)
*JR南武線「武蔵溝ノ口」・東急田園都市線「溝の口」下車
募集人員 20名(糖鎖工学を基礎から応用まで全体的に把握したい研究者・技術者の方、および企業や研究機関の研究・技術・企画の幹部・リーダーの方)
受講料
受講料 A 神奈川県以外の企業 B KAST法人賛助会員
C 神奈川県内中小企業
*神奈川県内中小企業とは、事業所が神奈川県内にあり、資本金が3億円以下 または企業全体の従業員が300人以下である企業
D C以外の神奈川県内 企業 E 神奈川県内在住の個人の方
全日程 38,000円 30,400円 34,200円
*1日単位
の受講
20,000円
カリキュラム
内容および
日程
1日目◆1月24日(月)
10:00〜11:20
(80分)
糖鎖科学・糖鎖工学概論‐糖鎖科学・糖鎖工学の歴史と現状
東海大学 糖鎖科学研究所 所長・教授/医学博士  鈴木 明身
11:30〜12:40
(70分)
糖鎖を創る‐糖鎖合成の新技術
東海大学 工学部 応用化学科 教授/理学博士  稲津 敏行
13:30〜14:40
(70分)
疾患の解明と治療・創薬のための糖鎖科学(神経と糖鎖)
スフィンゴ糖脂質の神経系における生物機能:ノックアウトマウスからの知見
東海大学 糖鎖科学研究所 准教授/医学博士  松田 純子
14:50〜16:10
(80分)
疾患特異的バイオマーカーとしての糖鎖(糖鎖をつかう)
産業技術総合研究所 糖鎖医工学研究センター センター長/医学博士  成松 久
16:20〜17:40
(80分)
糖鎖医療工学(糖鎖をつかう、糖鎖改変抗体医薬など)
産業技術総合研究所 糖鎖医工学研究センター 分子医用技術開発チーム チーム長 /医学博士 池原 譲
17:50〜 交流会

2日目◆1月25日(火)
10:00〜11:20
(70分)
疾患の解明と治療・創薬のための糖鎖科学(免疫・感染症と糖鎖)
東海大学 工学部 生命化学科 教授/理学博士  小島 直也
11:30〜12:40
(80分)
疾患の解明と治療・創薬のための糖鎖科学(疾患と糖鎖)
福島県立医科大学 医学部生化学講座 教授/医学博士  橋本 康弘
13:30〜14:40
(70分)
機能性糖タンパク質の化学合成
東海大学 工学部 生命化学科 専任教授  北條 裕信
14:50〜16:00
(70分)
糖鎖関連分子を見る‐蛍光顕微鏡を駆使した解析法
東海大学 糖鎖科学研究所 准教授/薬学博士  樺山 一哉
16:10〜17:30
(80分)
糖鎖による創薬の現状と将来展望
大阪大学 産業科学研究所 疾患糖鎖学 教授/理化学研究所 基幹研究所 システム糖鎖生物学研究グループ ディレクター  谷口 直之