遷移金属を含む酸化物や錯体は、セラミックス、機能性高分子、生体物質(ヘムタンパク質など)として、極めて重要な役割を果たしています。これらの物質の特性を決定づけるのは、配位子に囲まれた遷移金属中のd電子の状態ですが、その電子状態の違いに連動して、d電子は様々なスピン配置をとることになります。すなわち、電子状態とスピン状態は強く結合しているわけです。また、外部刺激によって電子状態とともにスピン配置を変化させることができれば、スピン配置変化に伴う磁性の変化とともに多彩な物性の変化を実現することができます。実際、多くの物質で、温度・磁場・光照射などの外部刺激による「スピン・クロスオーバー現象」が観測され、さらに磁気的性質の変化に連動して、電気的・光学的・熱的物性などに多彩な変化が見られています。
本研究会では、遷移金属酸化物・錯体における「スピン・クロスオーバー現象」にスポットを当て、第一線で活躍されている講師の方々から様々な研究成果を紹介していただきます。多くの皆様のご参加をお待ちいたしております。 |
日 時 |
2010年10月8日(金) |
場 所 |
中央大学駿河台記念館320号室
東京都千代田区神田駿河台3-11-5
JR御茶ノ水駅より徒歩3分
URL: http://www.chuo-u.ac.jp/chuo-u/access/access_surugadai_j.html |
参加費 |
無料(年会購読者、学生)、2,000円(会員、協賛会員)、4,000円(非会員) |
資料代 |
1,000円(会員、協賛会員、非会員、学生) |
協賛(依頼中) |
応用物理学会、化学工学会、錯体化学会、電気学会、日本化学会、日本磁気科学会、日本物理学会、日本分光学会、日本放射光学会、IEEE Mag. Soc. Japan Capter |
問合せ先 |
日本磁気学会事務局
TEL:
03-5281-0106 |
URL |
http://www.wdc-jp.com/msj/seminar/topical/174.html |
オーガナイザー |
小林義彦(東京医大) |
プログラム |
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座長:小林義彦(東京医大) |
13:00-13:05 |
はじめに |
小林義彦(東京医大) |
13:05-13:50 |
Co系ペロブスカイトのスピン転移と格子異常 |
浅井吉蔵(電通大) |
13:50-14:35 |
電子構造の観点から見たCoIII酸化物におけるスピンクロスオーバー |
斉藤智彦(東理大) |
14:35-14:50 |
<休憩> |
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14:50-15:35 |
Co系ペロブスカイト酸化物の強磁場誘起スピン転移 |
佐藤桂輔(茨城高専 |
15:35-16:20 |
ペロブスカイト型コバルト酸化物の光励起状態とフェムト秒ダイナミクス |
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16:20-17:05 |
鉄混合原子価錯体における速いスピン平衡と原子価揺動の協奏現象と特異な磁気特性 |
小島憲道(東大) |
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研究会でのビデオ、写真撮影および録音はご遠慮頂いております。 |
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