近年の分子分光学の発展により、生きた細胞をあるがままにその場計測することが可能となってきた。蛍光蛋白質を用いた蛍光イメージングや、線形および非線形ラマン散乱によるラマンイメージングにより、生細胞の中にある分子をマッピング、そして時間分解するなど時空間情報を高い感度で取得する技術が確立されてきた。さらに非線形分光過程を利用する超解像赤外イメージング等を導入してこれらを先鋭化する試みが盛んに行われている。その結果、分光学を基盤とした「生細胞の分子科学」とも呼ぶべき新分野が、従来の物理学、化学、生物学の垣根を超えて創成されつつあり、医学、薬学、農学、工学の分野でのさまざまな萌芽的新技術を先導しつつある。このように細胞と分光をキーワードとして分光学を基盤とする学際的な領域の立ち上げを目指して日本分光学会生細胞分光部会を発足させた。生細胞を見る新しい手法を開発しようとする分光学者と、それを利用して生細胞の分子機構を解明しようとする物理、化学、生物学者がこの部会に集うことによって、分光学会の翼がとくに生物学の方向に向かって大きく広がるものと期待して本シンポジウムを開催する。 |
主 催 |
社団法人日本分光学会 |
共 催 |
首都大学東京 |
日 時 |
平成21年12月4日(金) |
会 場 |
首都大学東京8号館2階 大会議室
(京王線南大沢駅下車、徒歩10分)
アクセスマップ http://www.tmu.ac.jp/access.html |
参加費 |
無料 |
参加申し込み |
電子メールで、件名(Subject)を「生細胞シンポジウム参加申込」とし、(1) 申込者氏名、(2) 所属先、(3) 所在地、(4) 電話番号、(5) 電子メールアドレス、(6) 意見交換会の参加予定の有無、を記載して、fujino@tmu.ac.jp までご連絡ください。当日受付けも行いますが、講演要旨集を確実にご用意するため、可能な限り11月20日(金)までに事前参加登録をお願いいたします。 |
講演プログラム |
12:50 |
開会挨拶 |
13:00 − |
酒井誠(東工大資源研) |
13:40 |
「赤外超解像顕微鏡を用いた生細胞の赤外イメージング」 |
13:40 − |
田岡万悟(首都大院理工) |
14:20 |
「リボヌクレオプロテオミクス:液体クロマトグラフィーと質量分析を基盤とした低分子RNA同定法の開発」 |
14:20 − |
熊崎茂一(京大院理) |
15:00 |
「葉緑体内部構造を見るための2光子励起蛍光スペクトル顕微鏡の諸様式」 |
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休憩 |
15:20 − |
中林孝和(北大電子研) |
16:00 |
「蛍光寿命イメージングを用いる細胞内環境計測の展開」 |
16:00 − |
川内聡子(防衛医大医用工学) |
16:40 |
「光散乱が捉える脳組織の生と死」 |
16:40 − |
伊藤隆(首都大院理工) |
17:20 |
「In-cell NMRを用いた生細胞内蛋白質の立体構造解析」 |
17:20 |
開会挨拶 |
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意見交換会 |
シンポジウム終了後、キャンパス内にて(〜19:30) |
問合わせ先 |
〒192-0397
東京都八王子市南大沢1−1
首都大学東京理工学研究科分子物質化学専攻
藤野竜也(fujino@tmu.ac.jp)
TEL042-677-2531 FAX042-677-2525 |