日本分光学会
平成19年度 生細胞分光部会シンポジウム

生細胞分光シンポジウム

 近年の分子分光学の発展により、生きた細胞をあるがままにその場計測することが可能となってきました。蛍光蛋白質を用いた蛍光イメージングや、線形および非線形ラマン散乱によるラマンイメージングにより、生細胞の中にある分子をマッピング、そして時間分解するなど時空間情報を高い感度で取得する技術が確立されてきました。さらに非線形分光過程を利用する超解像赤外イメージング等を導入してこれらを先鋭化する試みが盛んに行われています。その結果、分光学を基盤とした「生細胞の分子科学」とも呼ぶべき新分野が、従来の物理学、化学、生物学の垣根を超えて創成されつつあり、医学、薬学、農学、工学の分野でのさまざまな萌芽的新技術を先導しつつあります。このように細胞と分光をキーワードとして分光学を基盤とする学際的な領域の立ち上げを目指して「生細胞分光部会」を発足させました。生細胞を見る新しい手法を開発しようとする分光学者と、それを利用して生細胞の分子機構を解明しようとする物理、化学、生物学者がこの部会に集うことによって、分光学会の翼がとくに生物学の方向に向かって大きく広がるものと期待して本シンポジウムを開催します。
主 催 社団法人日本分光学会
共 催 東京工業大学 資源化学研究所
日 時 平成19年12月14日(金)
場 所 東京工業大学すずかけ台キャンパス すずかけホールH2棟 集会室1
〒226-8503 神奈川県横浜市緑区長津田町4259(東急田園都市線 すずかけ台駅下車)
アクセス http:/www.sok.titech.ac.jp/hp-zentai/access.html
キャンパスマップ http:/www.sok.titech.ac.jp/hp-zentai/suzukakemap.htm
<講演>
時間と空間を分解した振動分光学:分子から細胞まで(仮題)
M口 宏夫(東大院理)
2波長赤外超解像顕微鏡法による細胞内部の振動緩和ダイナミクス(仮題)
井上 圭一(東工大資源研)
ナノフォトニクスによる細胞・分子イメージング
井上 康志(阪大院生命機能)
蛍光プローブの精密設計に基づく、がんの高感度in vivo蛍光イメージング
浦野 泰照(東大院薬)
細胞内蛍光寿命イメージング測定と細胞活性
太田 信廣(北大電子研)
生体分子の機能を可視化する分子プローブの開発と応用
小澤 岳昌(分子研)
(未定)
竹山 春子(早大先進理工)
ノンコーディング領域を転写するRNA polymeraseによるクロマチンリモデリング
廣田 耕志(理研)
生理活性を光で操るケージド化合物
古田 寿昭(東邦大理)
2光子顕微鏡による生細胞機能の蛍光イメージング
根本 知己(生理研)
問合せ先 〒226-8503 神奈川県横浜市緑区長津田町4259
東京工業大学 資源化学研究所 藤井研究室
藤井正明 TEL/FAX 045-924-5250